シャッタースピードの話

シャッタースピードって

シャッタースピード、これは写真の露出(明るさ)を決める3の要素のうちの1つです。

実は3の要素、絞り、シャッタースピード、感度の中で一番分かりやすいんじゃないでしょうか。

カメラのシャッターを開けている時間の長さをそのまま使うので、イメージも湧きやすい筈です。1秒とか1/200秒とかね。これらはシャッターを文字通り1秒開けるとか、200分の1秒間開けるとか、そういう値なんです。だから1秒の方が1/200秒よりも長いのは小学校教育を終えている人なら誰もが実感出来るところでしょう。その点、いまいちイメージしにくい絞りのFいくつ、というのよりも身近な感じがします。

 

シャッタースピードの原理と効果

簡単です。

シャッタースピードが短いほど写真は暗く、実際には動いているものも動きを止めて写す事ができます。

シャッタースピードが長いほど写真は明るく、30秒なんていうシャッタースピードになると、明らかに停止している建物みたいなもの以外はけっこうな勢いで動いているように見えるようになります。スローシャッターってやつね。

イメージとしては、もしお客さんが時間に関わらず一定の間隔で訪れる乾物屋さんがあったとします。
その乾物屋のシャッターが開いている時間が長いほど、トータルのお客さんは多くなりますよね。これフィクションというよりファンタジーに近い例えですけどね。そんな楽な商売があったらしてみたい(以下略

この時間あたり一定の数で来るお客さんっていうのが写真では光であって、乾物屋の開店時間(店が開いてから閉まるまでの時間)がシャッタースピードです。これは定常光つって光が延々と出続ける光源で撮る限り不変です。ストロボだけは例外。

 

実例と注意点

実感してもらうには作例が一番でしょう。

ただ、1つ注意点がありまして、シャッタースピードの具体的な数値はここで書いてもしょうがないので、私もExifの残っているRAWから情報を拾い出して「この写真は1/5秒で撮っています」みたいな事はしません。

なんでかっていうと、どれくらい動いているものをどれくらいぶらしたいかっていうのは撮るシチュエーションによって絶対に違うので、「シャッタースピードをこの数値に設定すればこれくらいぶれる」なんて事を書いても意味がないんですね。変に「これを撮るならこのシャッタースピードが良いのか」って先入観を抱かせてもしょうがありません。

そりゃ私の中では「これを撮るならこのくらいのシャッタースピードで」というのは経験則から導き出されて目安がありますが、そういうのを自分で作るところから楽しんで欲しいなと思っています。自分で目安を作ろうと思えば、嫌でも自分の写真をしっかり見るしかないですからね。

なので、大体こんなもんに設定すれば、という大雑把な話しかしませんからね。悪しからず。

 

RX100の設定は?

いつもはPに設定しているRX100、シャッタースピードを積極的にコントロールしたい時はSにします。『シャッタースピード優先』のSですな。

これCanonのカメラだとタイムバリュー(シャッタースピード優先)の略でTvモードだったりしますが、撮る人がシャッタースピードを自分で設定して、それに合わせてカメラさん適当に設定やってちょ、と残りを丸投げにするという意味では全く同じモードです。

RX100の場合、感度もオートで決めてくれたりするので、その場合はカメラ側がそのシチュエーションに最適そうな絞り、感度を選択してくれるというわけです。

 

それでは作例

20140816-_DSC6286

Pモードで何も考えずに撮りました。

はい。まずは水がばしゃばしゃ流れ出ておるな、というのを見つけたので、いつものPモードで撮りました。RX100はその明るさで一番画質が良く、そこそこ絞って見栄えも良く、なおかつそこそこシャッタースピードが速くて手ブレしにくいであろう設定を導き出します。普通に映っていますね。

ここからシャッタースピードをコントロールしてちょっと変わった写真にしてやろう、という事でモードをSに。遅いシャッタースピードにすれば水の軌跡が見えるんだぜ、というわけでこんな感じです。

遅いシャッタースピード。

遅いシャッタースピード。

水に関してはシャッタースピードが遅ければ遅いほどマイルドな感じ、水のばしゃばしゃ感が減って「すー」っという感じの表現になります。この作例は手持ちで撮っているので、ちょっとぶれちゃいましたね。

じゃあ今度は水の硬さを見せたい! というわけでシャッタースピードを速く。

シャッタースピードを速く。

シャッタースピードを速く。

見えますよね、きちきち感といいますかなんといいますか、水がつぶつぶの固形のまま飛んできそうな感じ。これはシャッタースピードを速くしたからです。

どれくらいのシャッタースピードにするとどれくらいの表現になるのかは写す距離や画角や写すものによるので、せっかくのデジタルカメラなんですからばしばし試してみてください。

 

 

もうひとつ作例

シャッタースピードを遅くした表現、つまりスローシャッターの妙味っていうのは、動いているところと動いていないところの対比にあるわけで、よほど上手い事要素を組み合わせない限り、画面に写っているものすべてがぶれているような写真は、単なる手ブレ写真でしかありません。

これから挙げる2枚の写真ではそのあたりが伝わるんじゃないかと思います。
20140320-_DSC9467
20140320-_DSC9466
ね。上の写真はシャッタースピードが比較的速いので、動いている筈の人物も、動くはずのない他の手すりやなんかもすべてかちっと静止して写っています。

下の写真は、動いている人間はシャッターが開いている間に移動するのでブーンとぶれていますが、その間も動いている筈のない手すりやなんかは静止したままでしょ。その動いているところと止まっているところの対比があるからこそ「ああこの人間たちは動いているんだなぁ」というのが伝わって来ます。

このブログのホームページの頭のところ、スライドショー形式で写真を表示してくれますよね。あそこに表示している写真もこの効果を使っています。

20140703-_DSC3093-Edit-2

「北改札口」なんかはぶれていないのに、人間だけが動いていますね。

 

 

流し撮りという荒業

最後に、昨日アップした記事で紹介していた「流し撮り」というテクニック。

写真にまつわる、例えば絞りをコントロールしようとか、シャッタースピードをコントロールしようみたいのは、単にカメラをいじいじして設定を変えるだけなのでテクニックというほどの事はないのですが、この流し撮りは明らかにテクニックらしいテクニックです。

なにせやり方が「シャッタースピードを長めにして、動いているものに合わせてカメラを動かしながら撮る!」ですからね。

20140816-_DSC6067

これもシャッタースピードは撮るもののスピードとどれくらいぶらしたいかによって変わってくるので一概にどれくらいに設定しろとは言えないところですが、私の場合は車が被写体の場合で1/30から1/100秒くらいでしょうか。でもこれはその辺を走っている自動車の場合であって、例えば時速300kmで走る新幹線を流し撮り、なんていう場合はもっともっと速いシャッタースピードじゃないとブレすぎますからね。

この流し撮り、メインの被写体(の少なくとも一部分)がぴたっと静止していると「おおっ!」とインパクトを与えること間違いなしです。楽しいですよ。

設定はモードをSにして、オートフォーカスをAFC(コンティニュアスAF)にするか、AFS(シングルAF)で地面のどこか適当なところへ置きピンしておくと吉です。

そういえばAF(オートフォーカス)について書いていませんよね。次回は多分AFについてです。

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