IR(統合型リゾート)でアートマーケットの拡大を

日本でも近年注目を集めているIR(統合型リゾート)をご存知ですか?

IR(統合型リゾート)とは、ホテルや劇場、カジノ、展示会場、ショッピングモールなどが集まった複合施設のことです。カジノの本場ラスベガスやアジアの各国では、IRが大きな収益及び集客をもたらす施設であることが証明されています。

日本では、2016年12月に「IR整備推進法案(カジノ法案)」が成立し、18年7月には「IR整備法」が公布・施工される等、法整備も進んでいます。開業は2025年頃ではないかと言われており、日本国内で最大3ヶ所にIRの開業が予定されています。

では、IR開業によって日本が得ることができるメリットはどのようなものがあるのでしょうか。

 

IRの収益でアートマーケットを活性化できる

IRの収益は大きな規模となることが予想されています。アメリカでは、IRの収益が「第2の税金」と呼ばれているほどの財源となっているのです。日本においても、IRの収益の一部が自治体に納付されることが予想されており、用途については国会の付帯決議で「社会福祉」と「文化芸術の振興」などと記されています。

文化芸術の振興にIR収益の財源を確保することができれば、日本のアートマーケット拡大及び日本の美術市場を拡大させることが可能となり、アートマーケットの活性化を期待することができます。

現在、日本のアートマーケットの市場規模は先進国の中で最も小規模であり、世界目線から見てみるとアートマーケットが無いと言っても過言ではない状況なのです。その理由は、日本の文化予算の低さにあります。日本では、美術館や博物館などの文化事業に充てられる予算は年間1000億円程度であり、政府予算全体から見てみるとたったの0.1%しかありません。この数字は先進国の中ではもちろん最下位です。

このように、現在の日本のアートマーケットは寂しい状況にあるため、IRの収益を予定通り文化芸術の振興に充てることができればアートマーケットを活性化できるという大きなメリットを期待することができます。

 

IRに美術館や博物館を作り文化芸術の振興を図ることができる

IRと聞くと、多くの方がカジノを思い浮かべるのではないでしょうか。しかし、IRにおけるカジノが占めることができる面積は「全体面積の3.0%以下」という条件が定められています。つまり、IRの97%以上はカジノ以外の施設が占めることになるのです。

カジノを期待していた方は少し残念な気持ちになるかもしれませんが、IRは非常に大きな施設となるため3.0%でも十分なスペースを確保することができます。日本国内で新しいカジノをプレイすることができる楽しみは多くの方が待ち望んでいたことでしょう。

カジノ以外のIRスペースの用途にはホテルや劇場、ショピングモールなど様々な選択肢があります。そこで期待したいのが、ノンゲーミングの領域を文化芸術の振興に役立つことができないかということです。

代表的な文化施設としては、美術館や博物館などがあります。カジノ以外のスペース用途の案としては、美術館や博物館も挙がっていますが、具体的な例などはまだ明示されていない状況です。

また、美術館や博物館だけではなく例えば、IRに足を運ぶことで保管されているアートを誰もが見ることができる「アート倉庫」を作ったり、日本の食文化を紹介する「ミュージアム施設」を作ったりするのも面白いのではないでしょうか。

日本の文化事業は現在、寂しい状況に置かれていることは言うまでもありません。そのため、IR開業に伴い、カジノ以外のスペースを少しでも美術館や博物館などの文化芸術の振興に繋がる施設を作ることで文化事業活性化というメリットを期待できます。