昨日の補足(絞り&被写界深度)
昨日の記事に補足です。
そうえいばぬこ撮りの際に、「これは絞りのアレにちょうどいいわ」と思いながら撮っていた写真がありました。
もう一目瞭然でしょう。ピント位置はぬこの眼というかまぶたの辺りで、それよりも近いもの、遠いものがF1.8の方の写真だとボケまくっています。F5.6の方は、けっこうかっちり写っていますよね。
おまけ知識として、ボケを大きくする為の原則もお教えしましょう。
1.F値が小さい(絞りが開いている)方がボケる。
2.焦点距離が長い方がボケる。
3.ピント位置が近い方がボケる。
てな感じです。
RX100の初期型とM2に関しては、焦点距離を長く、つまりレンズを望遠側にニューっと伸ばすと同時にF値が大きくなってしまうので、ボケの大きな写真が撮りにくいですな。
ただルール1と3は実行できるので、モードをA(絞り優先)にしてレンズを望遠広角側いっぱいにして絞りをF1.8にして、それから近いものにピントを合わせると手前と奥のものがボケます。
それにしても、昨日の記事はあれだけ書いたのにF値が何か? みたいな機構の部分についてはカットしてしまっているのが心苦しくもあるのですが、RX100のブログで扱うべき事柄ではないのかな、というのと、あんまりアホみたいに記事が長くなっても読む人が苦痛だろうという事で泣く泣くカットしました。
一眼レフで写真を撮るような人の場合、またライティングにゆくゆくは進んで行くような人の場合、F値と焦点距離の関係であったり、F値とEVの関係が必須になってくるので避けて通れない(避けても良いんだけどそれだと根本的な理解がなくなってしまう)という大切な部分であるのですが、RX100の場合は基本的に自然光か、部屋にすでにある環境光で撮るのが99.9%くらいでしょうからね。
もしライトを扱うにしても、白熱球やLEDの定常光がメインだと思うので、その辺りこのブログではパスしちゃいます。
気になる方はセミナーでも何でもやりますので声を掛けてくださいな。
というわけでまた! 露出補正はまた次回!
追記:
そういえば、絞り開放(F1.8)の方の写真、ボケ具合についてもせっかく大きめの解像度でアップしているので着目してもらえると嬉しいなと思います。
日本人のカメラおじさんたちがボケがボケがってうるさいって話は前回書きましたけど、このボケの具合がスムーズかごわごわしているかって、たしかに絞りをがーんと開けて撮った時に気になるものなんです。
これ安いレンズほどごわごわになり易く、また古いレンズほどごわごわしたり、さらにはぐるぐる同心円上のボケが発生して見苦しい時もあるんです。
ところがこのRX100様、どうですか! 別に気にならないでしょ向こうもこっちも。これ凄い事なんですよ。4万円弱のコンデジでボケがこんなにスムーズ、という事は絞っても絞りを開けてもキレイに写るという事です。
RX100を使っている人は「俺のカメラ、すごいんだぜ」って大いに自慢して大丈夫です。普通のコンデジだとまずボケないですし、ボケてもごわごわのボケになるものがほとんどなんです。下手をすると一眼レフ用やミラーレス一眼用のレンズでも、安いものだとこれより描写が劣る事がありますから。
とても分かりやすい解説を、ありがとうございます!
RX100(初代)私はまだ買ったばかりですが、
コケやクローバーなんかの絨毯でボケ味楽しんでます。
細かい点なのですが、
“モードをA(絞り優先)にしてレンズを望遠側いっぱいに…”の「望遠側」は「広角側」の間違いなのではないでしょうか。望遠端だと4.9までしか開かなかったと思います、初代は。
(こちらはコンデジしか使ったこののないズブの素人故、見当外れでしたら申し訳ありません。)
>greenfiddlerさん
コメントありがとうございます。
おっと望遠と広角、間違っておりました! おっしゃる通り望遠側は開放F4.9と暗かったですね。修正しておきます。
度々同じ記事にすみません。
綺麗にぼかした写真が撮りたくていろいろ試してみたのですが、レンズ・素子以外にそもそも背景に何を写し込むかで見た目のボケの綺麗さに差がつく気がしてきました。背景がごちゃごちゃと多色でコントラストも高かったりすると、あまり綺麗にボケてる感じがしません。
大変ボケの綺麗な昆虫写真を撮る方がいて、写真を眺めていて背景の選び方も上手なのかな、とか思いました。
>greenfiddlerさん
ピント位置によって背景のボケが変わるんですが、同時に被写体と背景の距離によってもボケ具合って変化しちゃいますからね。
自分で好きに被写体と背景の距離を変更出来る場合、けっこう悩んじゃうポイントです。
レンズの構成によってもボケ具合って変わっちゃいますから難しいところですよね。マクロレンズなんかは大体綺麗にボケるように出来ているようです。
いやはや不勉強でした。
同じF値、焦点距離のレンズでも光学系の組み方でボケ方の様子が全然違うものなのですね。
あと、相対的にボケ始めの方がアウトフォーカスが急なんですね。
私が綺麗だと感じた昆虫写真のボケは、ボケ終わりがRX100よりはだいぶ遠くなるようなシステム
(4/3センサー+明るめで長焦点なマクロ)で撮った写真だったようです。
さらにボケやすいシステムを組むと5mや10mの距離感もフォーカスで表現出来てしまうと。
RX100でいろんな物撮って大いに愉しんでますが、同時にレンズ交換できるシステムがとてつもなく欲しくなってきました。
ただ、そう思うようになったのも設定の振り幅にかなり応えてくれるRX100のせいです。
コンデジだから“沼”なぞとは無縁だと思ってました。が、とんだ罠でした。
>greenfiddlerさん
まんまと罠にはまりましたね……。
どのみちカメラの原理が知りたい、と思われるような方は最終的にレンズ交換式のカメラに行くと思うんですよね。
逆にいえば、最初に一眼レフを買っても、キットレンズだけでレンズ交換せず、オートで撮って「飽きた。重い」ってなる方も多いので、そういう向きはむしろRX100を買った方が幸せになれるんじゃないかと最近思います。
ちなみにマクロレンズって、画角が狭ければ狭いほど、遠くの虫が大きく写るんですけど被写界深度も恐ろしい勢いで狭くなるので扱いづらいんですよね。私フルサイズに60mm、90mm、100mmとマクロレンズを使い分けていますけど、やっぱり60mmが一番楽ですから。ただやっぱり広角寄りなので小さなものを対象にした時は難しいです。
センサーが小さいカメラは被写界深度が最初からある程度厚いので、その点便利ってこともありますよ。