アプローチ

カメラを持っている時に、目の前を撮ったら面白そうなものが通りかかったとしましょう。

普通の人、つまり「写真をやっている人」でない、単にカメラを持っている人、iPhoneやコンデジの人、下手をすると一眼レフを持っている人でもただ延々とシャッターボタンを押すだけの人は、自分が動かずにレンズをズームさせて、1枚撮って終わりです。

写真をやるっていうのは、絞りやシャッタースピードや画角、色んなものを組み合わせ、なおかつ自分の体を動かしてイメージした絵に近づいて行く、また同時にそうやって自分が動いたりカメラをいじいじして設定を変える事で、自分が予想していた以上の絵がフィードバックされたりする偶然を楽しむという事であります。それが全てではないですが、けっこう割合としては大きいんですよ。

ですから、被写体が動かないものであっても色んなアプローチを試す事が「写真をやること」の第一歩と言えるかもしれません。カメラ買っただけじゃダメよ。

逆にいえば、闇雲にであっても色んなアプローチを試すのであれば、カメラはなんでもOKです。ピンホールカメラだろうがコンパクトカメラだろうが大丈夫。もちろんRX100もしっかり応えてくれる良い道具です。

というわけで、同じホームで、同じ電車をちょこまか動きながら撮ってみました。

 

20140829-_DSC7142

20140829-_DSC7146

20140829-_DSC7147

20140829-_DSC7148

20140829-_DSC7152

 

ほんの一例ですけどね。ちょちょっとやっただけでぜんぜん違う写真みたいに見えますよね……見えますよね!?

慣れないうちは1つの被写体を1つの撮り方しか出来ないどころか、何が撮るべき被写体なのか分からない可能性もあるのですが、そこは何でもかんでも、撮って撮ってアホみたいに繰り返しているうちに「俺はこれが好きなんだな」というのが分かってきます。

撮った写真をじっくり見て選別して現像して、作品として1つの流れを組み立てよう、ってやっていると、今度は自分が「何を撮るべきなのか」「どう撮るべきなのか」っていうのが明確になってきます。明確になるというか、嫌でもやらざるを得なくなってきます。

価格.com界隈のおじさま達がなんとも頼りないのは、カメラをいじっているのか写真を撮っているのか、その違いが分かっていないところにあるんです。

その分かってなさが現れるポイントの1つとして、1つの被写体に対して色んなアプローチをして、バリエーションを出す事が出来ないって事ですな。冒頭で述べた事の繰り返しになりますけども。

とりあえず深く考えなくて大丈夫ですから、近寄ってワイド、遠ざかって望遠、しゃがんで立ち上がって背伸びして、と色んな角度から撮ってみてください。そのさきにきっと答えはあります。

Trackbacks & Pings

Leave a Reply

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です