そもそもRX100はどういう使い方をすると最高なのか

こんにちは。今日は初心にかえって、RX100がどういう使い方をするとより本領を発揮できるのかについてお話ししようと思います。

今さっき風呂に入っていてふと思ったんですが、このブログを見にきてくださっている方は必ずしも絞りがどうこうとか、そういうカメラの機械的な部分に詳しい方ばかりではないんですよね、きっと。

そもそも高級とはいえコンパクトデジカメですから、一眼レフやなんかのようにゴリゴリと使い倒すぜ! っという方はあんまりいない筈。そう、人間というのはどうしても自分基準で考えてしまうもんですから、なかなかほかの人にとってどうかっていうのは分かりません。

ということで、RX100は一体どういうときに本領を発揮するカメラなのか、ここで記事を作っておこうと思います。

RX100ってなに

Sonyが作っているコンパクトデジタルカメラです。

正式な型番はDSC-RX100。デジタルスチルカメラ、の略でしょうね。初期型は2012年発売で、2016現在でも生産している……のかな。その辺のお店にも在庫が潤沢にあります。

小さなボディーに大きめのセンサー、それからCarl Zeiss銘のすてきなレンズがセットされておりまして、小さくて軽いのに画質がすごいぞ! なんだこれは! と発売当初から大きな話題を呼びました。

そのセンサー、対角線で1インチあり、これはいわゆる普通のコンパクトデジタルカメラ(略してコンデジ)で使われているセンサーよりも大きいのです。写真の画質はレンズの性能とセンサーの性能でほぼ決まってしまうので、コンパクトカメラサイズの小さなボディーなのに、より大きなセンサーとより高性能なレンズを積んだというのでまずスペックに皆驚き、写真を見てさらにびっくり。

わたくしはPhoto Yodobashiさんとこのレビュー写真を見て度肝を抜かれまして、そそくさと金策をして買いに走りました。今はもうRX100の画質を見慣れてしまっているのでそう驚きませんが、当時は本当に驚きました。えっ、これコンデジで撮ったの!? って。

20160315-_DSC0179

こういう順光で遠くの風景を撮るとよりバレにくいんであります。

M1からM4まであってややこしい

RX100っていうカメラ、なんだかやたらと評判が良いから買ってみようかな、と思った方が一番分からなくなるのが、RX100シリーズはマーク1からマーク4まで(2016年現在)、ほとんど毎年新しい機種が出ており、少しずつ仕様が違うところにあります。

このブログではRX100M1、つまり最初に出た初期型を筆者が愛用しているもんですからそれで撮った写真をメインに、あとはRX100M4の機能解説本を書かせてもらった関係でお借りしていたM4の写真がちょこっと。あとは動画用に買ったRX10(後述)で撮った写真もちょこっと使っていますが、何がどう違うって聞かれたとき、無理やり一言で各機種を表すのが以下の通りです。

  • RX100M1 → 風景がメインならこれでOK。後から出たカメラに盛ってある機能が一切ついていないんだけど、逆に完成したカメラともいえる。
  • RX100M2 → どうしても! どうしても液晶が動いてくれないと困る! っていう人はこれ。
  • RX100M3 → ここからカッコいいギミック満載カメラになっていきます。ファインダーがほしい人、動画が業務用レベルで撮りたい人はこれ。あと食べ物みたいな近いものをよく撮る人もこれ。
  • RX100M4 → M3のすべての機能 + ものすごい動画を撮りたい人はこれ! 全部付きの上に超スローモーションもできちゃう、デジタルガジェット好き感涙のカメラ。

ていう感じです。

あとRXシリーズってまとめると、

  • RX100シリーズ → コンパクトなボディに1インチセンサー。ポケットに入る高画質! 小さな巨人! みたいなイメージ。
  • RX10シリーズ → RX100と同じ1インチセンサーに、もっと望遠まで(二重の意味で)伸びるレンズをくっつけたもの。レンズの分さらに高画質なんだけど、レンズの分ちょっと大きくなっちゃいました。非常に高次元ですべてがバランスする通好みのカメラ。
  • RX1シリーズ → フルサイズの大きなセンサーをコンパクトカメラサイズに無理やり押し込めたモンスターマシン。しかもズームができない単焦点レンズがくっついている超スパルタン仕様で超高画質。良い意味でランチア・ストラトスみたいなイメージのカメラ。

っていう感じです。RXいくつ、の数字が小さくなればなるほどお値段もぐいぐい上がっていきますが、それぞれ使いどころ、アピールするポイントが違うので高いものほど良いに違いない! と考える必要はありません。

これ兄弟機種のRX10です。使ってみるとめちゃくちゃ便利で手放せません。

これ兄弟機種のRX10です。使ってみるとめちゃくちゃ便利で手放せません。

私の場合、その辺を歩き回ってスナップする分にはRX100の初期型でぜんぜん満足しちゃっているんですが、事情はちょっと特殊かもしれません。なぜかというと、風景や都市景観みたいな比較的遠くのものを撮るときにばかりRX100を使っておりまして、近いところのもの、たとえば花や食べ物、人の顔のアップなんかを撮る際は一眼レフとかミラーレス一眼を持ち出しちゃうんです。

ですので、あくまで私みたいに一眼レフやなんかも使いながら気楽なスナップ用に欲しいな、という方はどの型を買っても後悔はないと思います。

パッと見て「おっ」と思ったら即座に撮れるのが良いところ。

パッと見て「おっ」と思ったら即座に撮れるのが良いところ。

逆に、カメラはこれ一台でなんでも撮りたい、さらに動画まで撮っちゃいたいという方は、新しい型のものほど多機能で、さらに近いところまでぐいぐい撮れたりするので、新しい型のものほど満足度が高いでしょう。液晶が動かせるので、カメラを低いところに持って行って撮るのも楽とか、そういう便利さも新しい型の方が間違いなく上です。ファインダー(EVF)もM3とM4には付いています。炎天下で撮ろうと思うと、液晶の角度すら変えられないM1は勘で撮るしかありません。

完全に勘で撮っています。意外と当たるんですよ。

完全に勘で撮っています。意外と当たるんですよ。

もちろん、いろんな機能が付いているということは、その機能をいちいち把握していないと使いこなせないという事でもあります。だからこそ私のところに機能解説本を書かない? っていう仕事が来てくれて大変うれしくはあるんですが……うれしくはあるんですが……

RX100の一番すごいところ

ここでよく考えてみるとですね、RX100シリーズがすごいところは、撮るときに細かい設定をちまちまいじくったりしなくても、いきなりシャッターボタンを押せば、かなりの人がかなりの確率で「おお! すげえ!」って感動する画質で撮れるというところなんです。

本を買ってあれこれ細かい機能を使って楽しむこともできるんだけど、買って一発撮っていきなり「なにこれきれい!」って喜ぶこともできる。懐が深いんですよ。

写真の画質って、すごくざっくりした表現なんですが、センサーのサイズは大きければ大きいほど画質は単純に向上します。ISO感度を高くしてもザラザラしにくいとか、グラデーションがきれいに出せるとか、あらゆる面で有利です。
また、レンズも体積に余裕のある設計ほど高画質に作れます。ガラスの質なんかももちろん影響しますが、けっきょく最終的には体積なんですよ。中のレンズの枚数を増やしても口径を大きくしても、どのみち体積が増えちゃいます。
メーカーの技術者は、必要とされる画質をいかに小さく押し込めるかでものすごい苦労をしています。だから逆にいえば、サイズにさえ余裕を持てるのであれば(サイズが大きいということは、イコールで重いということでもあり、同時に高価ということでもあります)、もっともっと高性能、高画質のレンズっていうのはあります。

でもね、RX100がすごいのは、そこそこサイズの1インチセンサーに、完璧といっても良いほどマッチングの良いレンズをくっつけて、さらにこのアホみたいに小さなボディにぐいぐい押し込んで、さらにソフト的な面でもパッと撮りゃ誰でも「きれいだなー」って納得する扱いやすさを高次元でバランスさせたところにあります。パッケージングの勝利です。もしこれがソ連で設計されたものだったら、10倍の重量と10倍の体積でも納まったかどうか。

 

レンズ交換するしない/できるできない

さて、RX100シリーズだけを使い続けるのであれば、世界にほかのフォーマットのカメラは存在しないことになりますから、ある意味非常に幸せではあるんですが、世の中にはミラーレス一眼を買おうか、それともRX100(に限らず、いわゆる高級コンデジというやつ)を買おうかで悩む人もいます。本心からいえば「両方買えばいいじゃん」なんですが、わたくし写真講師としても仕事しておりますので、どういう風に切り分けて考えればよいか、いちおうアドバイス的なものを書こうと思います。

1.デジタル一眼レフ?

最近、これからカメラを買おうという方とお話をすると、一眼レフを買おうって方は最初から心が決まっている方がほとんどです。
講師としても、写真をイチから覚えてしっかり階段を上って行きたいという方には一眼レフをお勧めしとります。いろいろ理由はあるんですが、写真学習の道具として最初に手にするなら一眼レフが一番向いているからです。

そうやって一眼レフを買って写真の道に入った人は、しばらく一眼レフで撮りまくりたくなるんですが、かといって常に一眼レフを持ち歩くわけにもいかないので、途中でサブ機として気軽なのが欲しくなるみたいですね。そういう使い分け、良いと思います。

2.ミラーレス一眼とコンデジは?

ミラーレス一眼と高級コンデジ、どっちを買えば良い? っていう質問もよく受けます。

これはむつかしいところで、例えば仕事で取材撮影か何かをする必要がある人で、「むつかしい操作は覚えたくないんだけど、できる限り高画質で撮りたい」っていう要求があるんだったら、RX100のようにレンズの明るいコンデジか、レンズ一体型のブリッジカメラをお勧めします(たとえばRX10シリーズ。)でも、レンズ交換をしてあれこれ楽しむ可能性があるならミラーレス一眼をお勧めします。

つまり、写真をイチから勉強するつもりがなければ、またレンズ交換する可能性が少ないのであれば、ミラーレス一眼も一眼レフも、個人的には必要ないと考えています。むしろデメリットが大きいんです。

講師としてはイチから勉強して、このめちゃくちゃ楽しい写真世界をいっしょに歩いてほしいと思うんですが、要らないものを無理に押し付けてもお互い幸せになれませんからね。

レンズ交換カメラとレンズ一体型カメラ

カメラ初心者やカメラに興味のないの方とお話ししていると意外なほど認識が食い違うのが、レンズ交換の重要性です。

聞くところによると、日本のカメラ市場ではレンズ交換ができるデジタル一眼レフやミラーレス一眼が大量に市場に出ていますが、それらのレンズ交換式カメラのうち、レンズをあれこれ交換して撮影されるカメラって半分もないらしいんですよ。

つまり、カメラを買ったときにくっついてきたレンズ、いわゆるキットレンズというのを、カメラがダメになるか売るかするまでそのまま! つけっぱなし! っていう事らしいんです。

これ写真をゴリゴリやっている人からすると信じられない事でして、むしろレンズが写真の画質や表現の方向性を決めてしまうことも多いもんですから、積極的にレンズ交換をして撮るんです。単純に遠くのものを撮るから望遠レンズ、とかっていう「仕方のない」レンズ交換だけではなくって、もっと積極的に絵作りをするために交換するんです。

RX100のようにレンズが交換できないカメラ、すなわちレンズ一体型のカメラは、最初からレンズを交換しないことを前提に設計・製造されます。
これって実は大きな利点でして、そのカメラはそのレンズしか使わないので、設計も調整もギリギリまで追い込めるっていうんです。私は実際に見せてもらったわけではないのでアレですが、まあ想像に難くないですよね。

レンズをあれこれ交換して使われるのが前提のカメラの場合、ありとあらゆるレンズに対応できるように安全マージンを広く設計しなくちゃなりません。ギリギリまで詰めてしまうとレンズ側の性能のバラつきのせいで撮れないパターンが出てきちゃう、なんてことになりかねません。そうすると即クレームで面倒なことになります。ですから、レンズ交換ができる=高画質なカメラ、というのは成立しません。
ミラーレスとか一眼レフが高画質なイメージなのは、センサーが大きいからというのと、あとはボディーのサイズが大きいカメラの場合、それにくっつけるレンズも大きいものを想定しているので、その辺もひっくるめて「高画質そう」というイメージを持たれますが、必ずしもイコールではないんです。

さらにレンズ一体型だと、レンズを含めたボディー全体をいっしょに設計するので、ボディーのサイズが小さくて済みます。
たとえばRX100なんかモロにそうですけど、沈胴型といってレンズがキューっとボディの面と同じになるように引っ込むでしょ。あれ一眼レフだとまず見かけない形です。フィルムカメラの時代も、一眼レフ用のレンズだとマウント面のすぐ後ろまでミラーが来ちゃうので、ほぼないですね。
そこへきて、RX100シリーズは通常のコンデジよりも大きなセンサーを積んでいるので、コンデジばりの利便性がありながら、画質的に有利、っていう事です。

1インチセンサーが他の規格のセンサーと比べてどれくらいかっていうのは、このあたりを見てもらうとよりわかりやすいかもししれません。普通のコンデジでよく使われる1/1.7や1/2.5インチサイズよりも大きくて、初心者~中級者向けのミラーレス一眼&デジタル一眼レフよりちょっとちっちゃい、っていう中間サイズです。

さらに、デジタル一眼レフやミラーレス一眼を買うと最初にくっついてくるレンズ、いわゆるキットレンズっていうのは、たとえば18-55mm F3.5-5.6みたいなスペックでして、ほとんどの場合そう写りの良いものではありません。むしろモノによってはRX100シリーズの方が写りが良い可能性すらあります。

つまり、レンズ交換をしないのであれば、レンズ一体型のカメラを買ってしまったほうが幸せになれる確率が高くなるんです。

このことから、RX100シリーズを買っちゃえば幸せになれる人っていうのが実は沢山いるんです。実際私の周りの人たちに、あれこれカメラのことを聞かれるたびに「RX100買えばいいよ」って言い続けてきた結果、かなりの人が購入しましたけど、皆さんそれぞれRX100の利点を活かして楽しんでますからね。

そこから写真に興味を持って、もっと本格的なものがほしくなったら、RX100はサブ機として手元に置いておくことにして一眼レフでもミラーレス一眼でも買っちゃえば良いんですよ。

RX100が向いているもの、向いていないもの

レンズを交換できない(しないで済む、ともいえる)RX100シリーズが何に向いているか、気になりますよね。

RX100は大体なんでもOKです。

逆に苦手な部分を挙げると、

  1. すんごい広角は基本的に無理。
  2. ものすごい望遠も無理。レンズ交換できないですからね。
  3. 動きが極端に速い被写体は苦手。
  4. 小さいものを画面いっぱいに写すような近接(マクロ)撮影も、M1とM2は基本的に無理。M3とM4はそこそこ頑張れるけど一眼レフ+マクロレンズみたいな寄り方は無理。
  5. すごく暗いところも苦手。
  6. 背景をぼっけぼけにボカした写真も厳しい。

なんだかネガティブリストを作っていると嫌な感じですね。
でも待ってください。どんなカメラにだって弱点はあるんです。むしろRX100は、上記以外の面においてはオールマイティーに強いんです。

大体何を撮っても、おおよそどういうシチュエーションでもOK。これってすごい事なんですよ。
たとえば自分が撮る写真のうち、9割が5センチ以下の被写体を撮っていますっていうような人は、最初からレンズ交換式のカメラとマクロレンズを買った方が良いです。スポーツしか撮らないっていうような人は、一眼レフと高級望遠レンズを最初に買っちゃえば、しばらく困ることはないでしょう。

RX100は、そういう尖った専門性がないかわりに、それ以外のところを良いバランスでカバーしてくれます。だからサブカメラとしての使用が非常に多いんですな。

撮る喜びはどこからくるのか?

最近よく思うんですが、近ごろのカメラってなんでもかんでもオートで撮れちゃう率が高いんです。

たとえば私、RX100を使うときは、このブログではもうおなじみなんですがモードはPです。これって、カメラには絞り、シャッタースピード、感度という3つの機構があって、それぞれが明るさを決めたりあれこれ作用を及ぼすんですが、そういう内訳を決めるのはカメラに任せているっていうことです。

もちろん、カメラに任せているといっても、現場をすべて部下に任せて自分はバカンスに行っている、っていうような任せ方ではなくって、「うん、絞りはF4.0か。オーケーちょうど良いんじゃないの」みたいに付き添ってチェックしながら仕事を進める感じではあります。でも、ほとんどRX100氏に任せておいて大丈夫です。

これはソニーのプログラマーの方が、「センサーからこういう風に光が来たら、絞りとシャッタースピードをこういう設定にしてあげるとお客さん喜ぶから。頼むよ」というふうにうまいこと制御してくれているおかげです。ちょっと前のカメラだと、めちゃくちゃな設定によくなったもんですが、最近はセンサーからの解析が速く詳細にできるようで、かなり良い線で提示してくれます。

このソフト制御が優秀なのも、RX100の「撮っていきなり高画質」につながっている部分が大きいんですが、カメラに全部任せたからって、それが撮る楽しみを損なっているのかっていうと、そんなこたぁないと思うんですよ。

もちろん私、撮る方でも食わせてもらっていますから、カメラの中のセッティングから、撮影現場でストロボを使ってライティングしたりとか、あとは後処理もそこそこやるのでPhotoshopをいじくってレタッチ、簡単な合成くらいまではやります。ピント合わせもMF(マニュアルフォーカス)のレンズをたくさん愛用しているので、AFすら使わない時があります。

そういう面倒は写真を撮るプロセスなので、別に面倒とは思わないんですよ。絞りを変えて撮ったり、NDフィルターを付けてシャッタースピードをいじくって「わー滝がサラサラになった」とかってやるのも大好きです。
でも、それはそれで楽しいし、RX100にある程度任せちゃって、自分はトータルの露出と構図だけ気にしながら撮るのも全然楽しいんですよ。なんというか別の楽しさがあるんです。

どういう感じでRX100を使うと幸せになれる?

個人的に、あくまで個人的になんですが、以上のことから私は、RX100に対して絞りがどうとか、そういうカメラの機構の部分をいじくる楽しさを追及するよりも、コンデジなので当たり前といえば当たり前なんですが、ただひたすら構図のことを考えて自由に撮る楽しさを強くプッシュしたいと思っています。

つまり一眼レフのように格式ばって見えるカメラって、使う人にもそれなりの知識や扱い方を要求しますよね。だからこそ勉強になるし、そういう知識があればあっただけ、条件が悪い時の撮影に強くなります。

でも、それはそれとして、なんです。RX100の楽しみ方はまた別腹です。
単純な話、コンデジなら軽いから気軽に振り回せますよね。わーっと勢いで撮れてしまう部分があります。そういう強みを最大に活かしたいといつも思っています。思っている、というか勝手にそういう形になっちゃいます。

いうなれば、一眼レフは考えてから撮るコンデジは考える前に撮ってみる

そういう風に切り替えてカメラを使っているので、どちらを使っていても違う面白さがあって非常に良いんです。

具体的にRX100を使うとき、どういう風に考えているかというと、

  • 露出はPなので細かいところはカメラに任せ、露出補正でトータルの露出だけ気にする。そうめちゃくちゃ外れないので気にするのは逆光の時くらい。基本-0.3EV
  • ホワイトバランスも、真っ赤な壁やひたすら緑の草原みたいなところで撮らない限りオート(AWB)で。
  • あとはピントを合わせて構図を良い感じにして撮る! 撮る!
  • 手ブレ、被写体ブレはもちろん気にするんだけど、ぶらすならぶらすで大胆に!

もちろん、撮る際に「うーむ……」とじっくり考えて撮るのもOKです。楽しみ方は人それぞれですし、むしろ「そんな使い方してるの、すごいね!」と驚かしてほしいくらいの気持ちがあります。

さいごに

写真講師をしていると、生徒さんによく「こういう風にするのが正解なんですか?」とか「こういう風にしなくちゃいけないんですよね」って聞かれるんですが、そういう固定観念は、どれだけ偉い人が言っていたとしてもそのままうのみにせず、自分で「本当にそうか?」って疑いながら実験して、時にはそのセオリーをぶっ壊しながら進んで欲しいと思っています。

自分のペースで楽しんでいけるのが写真の楽しいところです。肩肘張らずに楽しんでくださいね。

20160112-_DSC7386

↑こういうハードな写真を撮っていると、なんだかえらく含蓄のある人がむつかしいことを考えながらやっているように見えるのかもしれませんが、最近わたしつくづく自分がバカなんだなと思うようになりました。

子供がその辺のドングリを拾うように、カメラを片手にウロウロしては面白い形、面白い瞬間を拾い上げて撮っているだけなんですよ。それがとにかく楽しいので延々とやってしまっているだけなんです。

写真って、むつかしく考えるよりも、そうやってとにかく撮ることを楽しんで数を重ねてしまった方が上達が早い気がするので、ぶっちゃけどんなカメラでも良いんですよ。どんどん撮ってください。少なくともRX100を使えば、このサイトにアップしてあるような写真は撮れますっていうだけの話ですからね。

それではまた! 次回はようやくLightroomを使ったHDRの話をする予定です。

28 Responses to “そもそもRX100はどういう使い方をすると最高なのか

  • 伴先生 またまた眼にウロコのお話ありがとうございます。
    私の悪癖で次はPEN Fが欲しいなあ と思っとりました。
    背面液晶を裏返してアナゴグカメラ風にしてね。もちろん買えませんが。
    先般 旨かったせいろそばをショットしたらめちゃリアルで改めて感動しました。
    RX100愛用継続!!!

    • >伊賀さま

       そうです! 撮って見て、「おお!」って新鮮な驚きがあるカメラって意外と珍しいですよね。名機と呼ばれるカメラはそういう力を持っていると思います。
       RX100バンザイ!

  • RX-100の初代、子孫にと比べてどうなのかなぁと疑問を感じてこのサイトにやってきましたが、読みやすくて解りやすくて、大変ためになりました。ありがとうございました。

    • >樋口さま
       こんにちは! コメントありがとうございます。
       RX100、ついにV型がでましたが、まだまだ初代イケますよ。新型は新型でものすごいんでありますが、初代にしかないアドバンテージもあります。つまりどれを買っても損がないという変わったシリーズですね。
       またぼちぼち更新しますので、遊びにきてくださいまし!

  • こんにちは!
    初めてこちらのブログを見させてもらいました。
    今、RX100を買おうか悩んでいます。Canon G9Xとどちらにしようか迷っています。やはり、RX100の方がいいのでしょうか?
    RX100の不安点は、4年前のカメラなので、性能が古く、最近のモデルとは比べられないのかな〜と思っています。
    どうなんでしょうか?

    • こんにちは。
      RX100、個人的にはぐいぐいお勧めするんですが、条件が決まっているんです。
      初代は暗いところ、近いもの、動きの速いものが苦手です。動画もあんまり便利に撮る事はできません。
      が、とにかくそこそこ以上に明るいところで、ワイド側を使って撮るときれい!

      最新のカメラは、RX100シリーズでもGなんとかシリーズでも、便利なかわりに「おお!」って驚くような画質っていうのはあんまりないので、何を望むかによりますね。オールマイティーに楽しみたいと思うなら、正直どれを買っても別に損したなーと思うことはないと思いますよ。

      もし便利に使うことよりも「このカメラを使って遊ぶ」っていう方向で楽しめる方だったら、初代RX100は絶妙な不便さがたまらなく良いカメラです。是非どうぞ。カメラ遊びは便利さとはあんまり関係ないんです。

  • はじめまして。

    RX100シリーズが欲しくて調べていたら、伴貞良様のこちらの記事を見つけとても興味深く、感銘を受けたのでコメントしました。

    自分は一眼レフを愛用しているのですが、サブとしてコンデジを購入するのは甘えなのかな?今の一眼でも撮れるものをわざわざお金出す必要があるのかな?なんて悩んでたのですが、

    『一眼レフは考えてから撮る。コンデジは考える前に撮ってみる。』

    この言葉になんだか胸のつっかえがとれた気がします。

    状況によって、たくさん撮影したい気持ちがあるのに撮影できないことがあって、自分の気合や技術もあると思いますが、撮らなければ勿体無いことが多く、その場その場のケースで使い分けとしてのコンデジは自分にとって有意義なものになるのではということを今記事でとても感じました。

    あまりに感銘を受けまして、自分のブログに伴貞良様の記事をリンクを貼ってご紹介させていただきたく、よろしいでしょうか?

    今後も購読させていただきます。
    宜しくお願いします。

    • 初めまして!
      わたくしも一眼レフやミラーレスと一緒にRX100を持ち歩いているので、アワネさんと用途は一緒だと思いますよ。
      一眼レフにはマクロだとか、その日すごく使いたいレンズをくっつけて、記録系というかシチュエーション込みの写真はRX100に任せるみたいな、そういう使い分けが私の場合はぴったり来ています。おすすめです。

       ブログでのご紹介、大歓迎です! 許可なんて必要ないですから、お好きにやっちゃってくださいまし。

  • このページをみてrx-100を買う決心がつきました。
    趣味で山に登ります。当然、美しい景観に出会いカメラがほしくなります。3年間ixy3を使っていましたが、いまやスマホレベルの性能になってしまい、新しいカメラが欲しくなりました。自分の頭で整理した結果
    1.スマホ以上の画質
    2.一眼レフ未満の重さ(写真が目的でなく登山の思いでとして写真を撮る)
    3.値段が50000円以下
    4.雨の日は山に行かないから防水機能にこだわらない。
    5.コンテストに出品したりインスタグラムの載せたりしない。あくまで個人的な思い出をデジタルフォトフレームで眺める程度。

    この一週間いろんなサイトに行き悩みぬいた末rx-100に行きつきました。問題は写真の腕がカメラの性能に追いつかないことですが、とりあえずオートで撮って楽しんでいきます。
    つきましては、このサイトにお礼したくなったので投稿しました。ありがとうございました。

    •  どうもどうも! 写真ライフの一助になったら幸いです。
       このカメラ、基本的にPで撮るだけでもよーく写りますから心配ありません。
       あとは露出補正をちょいちょいしてやるだけで、見違えるように良い感じになりますからね。作品だって撮れますよ!

       こちらとしてはむしろ山登りの方がうらやましい限りです。体が弱いもので文明の地から離れる事ができませんでね……

       山での安全と楽しいRX100ライフを祈念いたします!

  • RX100のことを調べていたらこちらのブログを見つけることができました。とても勉強になりました。
    読めば読むほど、やっぱり欲しいなぁと思うのですが、ただ一つ憂慮すべき点を挙げるのであれば、自分α6000を既に所持しているためとても悩んでおります。
    先日買い物のために遠出した際にα6000と出かけたのですが、買った物と服、それとα6000でカバンがそれなりの重さになってしまい、やはり軽いカメラが欲しいなぁと思った次第です。

    実際、コンデジとミラーレス一眼の住み分け?はどう考えていけば良いのでしょうか。

    •  写真教室をやっているとよくある質問が「お出かけのついでに持っていくカメラはどうしたら良いのか」であります。
       つまり、何かの用事のために出かけるんだけど、ついでにカメラも持っていこうって考えると、とたんにカメラのサイズや重量が気になってくるんですよね。
       私みたいに写真を撮ることと生きることが不可分になっている人間の場合、出かける=写真を撮るために決まっているんですが、生徒さんに話を聞くとそうでもないようでして、そのギャップに驚いたりするんですが、ほとんどの方は「ついでに写真を撮る」スタンスのようです。
       私がそういった生徒さんの立場だったら、と考えると、買い物や観光が目的の時はもうRX100でいいじゃん、と割り切ると思いますね。で、写真を撮るために出かける時は、ミラーレスでも一眼レフでも、もうちょっと本気のレンズが交換できるカメラにすると思います。

       こういう考え方もアリなんじゃないでしょうか。

  • はじめまして。普段はFUJIFILM X-T2で写真を撮っている者です。

    この度、初代RX100を購入致しました。実は以前RX100M4を所有していたことがあり、今回もM4にしようかと思いましたが…。見事、伴さんの初代への愛と、お写真と、本記事の内容に心を動かされました! 特に、伴さんがコメント欄で「初代RX100は絶妙な不便さがたまらなく良いカメラ」と表現されているのを読んだときには、もうウズウズしてしまいました(「その表現最高です!」と)。

    思い起こすと、RX100M4を購入したときは「新しいもの=とにかくいいカメラ」だと思っておりました。しかし、自分が何を必要としているか、何を撮りたいのか、どのような色が好きなのか、カメラにどのような役割を求めるのかによって、世代を越えて機種を選ぶことができるのだと実感しました。

    最後になりますが、伴さんのYouTube動画も観させていただいております。特に「スナップ撮影から現像まで」シリーズは、プロのカメラマンさんの視点に感心しつつも、「もっと数を撮っていかないとな!」という僕自身の写欲向上につながりました。

    今後も、ブログ・Youtubeともに、更新を楽しみにしております。ありがとうございました!

  • このようなサイトを公開してくださってありがとうございます。2013年1月以来、時折使ってきたRX100 についての感想は、まったく同感です。

    国会議事堂の写真を拝見して少し思ったことを書かせていただきます。以前に明るい窓の前の人物の写真を撮ったところ、姿がシルエットになって美しいのですが、なにせ影絵ですので、なんとかならないものかと思いました。そういう思いをする人も多いと思います。

    そこで、s-log2 などの機能がRX100IVなどにはあるので、これかと思っていたところ、高価なわりには、なんだか面倒そうです。まずは、RAWファイルのDオプティマイズ(を中心にその他の調整)を自分ですれば、ある程度見た目に近づくことについて、参考までに次のサイトをご覧いただければ幸いです。

    http://phs.plala.jp/back_light/

    なお、たぶん慣れた人ならば、もっと上手に手を加えることと思いますが。

  • こんにちは!こちらの記事を見てRX100M3を購入しました。
    1つ質問があります。自分はカメラ初心者なのでどのモードがいいのか分からず、SCNモードをよく使っています。このモードよりもPモードの方が綺麗に撮れるのでしょうか?使い分けが難しくてほぼSCNかプレミアムおまかせオートしか使っておりません……

  • はじめまして!
    カメラ超初心者の主婦ですが、子供の写真をたくさん撮りたくてネットで情報収集していてこちらにたどり着きました。
    カメラは最終的に中古のrx100m2を買って、カメラの本や伴さんのブログやYouTubeで空いた時間に勉強する程度なのですが、とにかく写真を撮るのが楽しいです。
    まだまだいい写真はとれてないのですが。
    もしrx100で子供の写真をとるコツなどありましたらぜひ教えて頂きたいです。

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