こんにちは。過去の写真をたぐっていると、「もっとこうできたなあ」と気が滅入ってきますが、そもそも気が滅入るのは天気のせいもあるはず、と思いましょう!
そんな気が滅入るなかでも「これはよう撮れた」というものをいくつかご紹介しつつ解説を加えようと思います。我ながら、写真を撮るだけ撮ってちゃんと発表の機会を持たないのは良くないなあ。
というわけで今日は2017年に撮ったスナップ写真。7月3日、マレ地区というオシャンティエリアに連れて行かれた時のもの。
1.通りすがりの人々
これ撮影時に35mmレンズがカメラにくっついていたもので、向こうにカッコ良いひし形配置のゴレンジャーみたいな人たちがいたのに気づいたのですが画面が大幅に余っちゃう、というので、水に濡れた石畳の路面を入れてなんとか成立させています。
もしこれが単なるアスファルトだったり、逆に変な模様が入っていたりすると構図が大幅に崩れてしまったことでしょう。一番手前の犬が変なポーズをしているのも可愛いポイントです。何より強いのがアカレンジャーポジションにいるおっさんですね。良い味を出してくれました。
2.寺院
隙間に! 寺が見える! というのでバチッと撮りました。
こちらの写真は、RAW現像時にシャドーを詰めたのは確かですが、もともとこういう絵だったんですね。よく周辺光量を落としたりしますが、あれはあれで「周りが暗いから真ん中を見ちゃう」というボケに近い視線誘導でありまして、技術を追求する私からするとそれ以外にも方法はあるんだからそこで頑張らなくても良いじゃん、という感じ。
要は見せたいものに視線が誘導されるように撮れば良いというかそういうところを発見して撮るのが構図で一番大事なところと思います。
この場合は左右が暗く、かつ中央下部に流れ込むように窓枠のラインが並んでいるので、そりゃ真ん中の寺院を見ちゃうよね、という感じ。かつ空が寂しくないよう雲がもこもこと隙間を埋めてくれているのが最高です。
3.散歩の人たち
これも仕事中にふと振り返ったところ、キューブリック的な一点透視構図になっており、かつ向こうに安定感のある建物、そして屋根には良い感じに影が出来ていて最高じゃん、とカメラを構えたところ、犬の散歩で通りかかった人たちがものすごくカッコよくって絵になっちゃったパターンです。
これ通行人がいなかったらだいぶ寂しい構図になったっと思います。
ちなみにカメラはSony α9でレンズがTamronの28-75mm F2.8(A009)のEFバージョンで、当時Sigma MC11というアダプター経由でカメラにくっつけていたのですがタムロンレンズが動作せず、このレンズはずっとMFで使っておりました。
ですから実は最初に撮ろうと思った奥側の建物にピントが合っており、手前の人たちは軽くボケているのですが、絞っておいたおかげでそうそうバレません。上手いこと行っちゃった事例です。
おまけ
人口密度が高いところでのスナップは、人間および人間以外の要素が勝手に増えたり減ったりするのが面白いところです。
しかも私のスナップの撮り方は「待って撮ったらスナップじゃなくて風景じゃん」なので、待たずに通りすがりでスパッと撮るのを志しており、余計にその場その場での構図の発見が大事です。
これ仕事の観光写真として撮るのだったら、人が良い分布になってくれるまでじっと待ったりもするのでしょうが、それならもう三脚を立てちゃったりした方が早いですから、やっぱりスナップ的ではないと思います。
風景もスナップも、どこかに行ってじっくり撮りたいものです。
というわけでまた!