便利ズームの罠

 おはようございます。

 今日は便利ズームNikkor Z 24-200mmのスナップでのテストがしたくて隣駅まで行っておりました。歩いてみると意外と商店街がしっかり残っておりまして嬉しかったです。コロナ禍以降、隣駅にすらめったに行かなくなりましたから新鮮です。ただ可能歩行距離が明らかに短くなっているので、鍛え直していかないといけません。

さて

 今日は便利ズームのテストをしていたもので、そういえば便利ズームって便利なんだけど、その便利さがあだになる場合が多いよなーというのが頭の中でぐるぐる回っておりました。

 一般的に便利ズームというのは、28-300mmみたいに倍率の高いズームを指すものでして、カメラに慣れ親しんでいる人ほど「倍率」という考え方はしなくなるのですが、まあイメージとしては分かりますよね。ぎゅいーんとズーム幅が大きいレンズです。

 不便なズームといえば代表格が大三元標準ズームでして、これは24-70mmが主流なので(ちょっと古いと28-70mmなんていうのもよくありました)、倍率でいうとたった3倍程度。今回お借りしているので24-200mmなので、8.33333333…倍です。けっこうな倍率です。ちなみに28-300mmだと10.7142857143倍だそうです。

 不便ズーム寄りのものとしては24-105mmだとか24-120mmというのがありまして、これらはだいたい開放F値をF4に押さえて、ズーム幅はある程度大きいのだけれど重量は軽めで、というニュアンスで作られています。つまり便利ズーム寄りですね。

本題

 今回お借りしているZ24-200mm、信じられないくらい画質が良いです。焦点距離を24-280mmみたいに、見かけ上のギリッギリまで伸ばすことをせず、まだ開放F値も欲張らず、さらにはZマウントの余裕と設計、製造のレベルの高さが結晶したような素晴らしいレンズ。ただ便利ズームは便利ズームなので限界はありますし、便利ズームはその便利さが画質のみならず写真の質も下げてしまったりします。

 一体どういう時に便利さが仇になるかというと、要は足を動かさなくなっちゃうんですよ。これは単焦点レンズを使っている時の正反対。適当に立ち位置を決めて、そこからにゅーん、にゅーんとミル貝みたいにズームをして適当にばしゃり。

 しかも構図的に、ズームがどんどん伸びるのでみっちりした図鑑構図になってしまいがちです。

便利ズームで撮った写真ってこうなりがち。とにかく画面いっぱい!

 これでは絵として成立しないので、とりあえず周辺とのバランスを考えて撮りましょう、という話。

 周辺をほどよく入れることで落ち着いたでしょ。

 なんなら広角で横位置で撮ったって良いので、そこは朝顔+鉢とそれ以外のバランスで考えればOKです。
 むしろ便利ズームの場合、「朝顔!!!」と集中しすぎたのがそのまま遠慮のないズームに反映されてしまうのが問題なんじゃないでしょうか。

 便利ズームの立ち位置自体、とにかく記録として撮れていて欲しいという願いが顕現したようなものなので間違ってはいないのですが、「便利ズームでも素敵な写真が見せたい」「便利ズームでもまるで単焦点で撮ったようなちょっと格調高い写真にしたい」という場合は、足を使って撮るようにすると良いでしょうね。

 プロセスとしてはいつもの通り、

  • カメラを構える前に撮る絵をイメージする
  • その絵が撮れる画角はなんmmだろうか、と考えてズームを決める
  • その絵になりそうなところまで足で詰める
  • カメラを構える
  • 画角が合っていなかったらズームで調整ではなく足で調整

 こんな感じ。最後の調整については、気合の入っていない撮影ほどズームでちょちょいとやっちまいますが、そういう手抜きが絵の適当さに出ちゃうんですね。まさにそこの部分が便利ズームの罠です。あとこれ、望遠域の中での調整ならズームでちょちょいでもバレにくいので、そのあたりは慣れも大事。

  この2枚がほぼ同じ立ち位置から撮れてしまうのは確かに便利なんですが、まずは「どう見せたいか」のアイディアが先にないと辛いんですね。

 というわけで、けっきょくは単焦点を使うのが良い訓練になりますし、その前提として自分の撮る絵をしっかり考えよう、という話になるので、自分の写真も他人の写真もしっかり見ていきましょう。

 フォーラム、トピック内への写真投稿の際は、1投稿2(以上)コメントが原則です。これは義務というより、見る能力と撮る能力は並行して鍛えられるものなので、人の写真をしっかり見る修練も積んでもらう目的でそうしています。一番大事なのは、「撮る人が一体なぜそうしたのか」を汲み取ろうとするところですよ。

 それではまた。

どうも管理人です! プロフィールが新しくなりました。項目ざくざくご入力くださいね~
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