RX100とちょっとマニアックなモノクロ現像法
さー! 今日はあまりよそで教えてもらえないLightroomでのモノクロ現像についてです。
これ知っている人は誰に教わらずとも知っている事なんですが、知らない人はずっと知らない、そんなステキなモノクロ現像法です。
何をするのか
普通モノクロに現像するのって、カラー情報をバサッと破棄するだけだと思いますよね。
でもカラーの、つまりRGBすべての情報を含んだRAW画像からLightroomやPhotoshopでモノクロ現像するメリットがあるんです。
それは、カラーごとの明るさをマニュアルで設定できるって事。
これって、昔モノクロフィルムで撮影していた頃にやっていたカラーフィルターを使うのに近い効果があるんです。それを撮影が終わって家に帰ってから、いつものPCのモニターで、可逆性なので何回でも何回でもトライ&エラーを繰り返しながら試す事ができます。超便利!
モノクロで空が入る構図の時に、コントラストを高める為に赤フィルターってよく言うでしょう。あれは空の青に赤いフィルターを掛けると、空がどーんと暗く落ち込んで、白い雲とのコントラストが高くなるんですよね。話を簡単にし過ぎかもしれませんが、大体そんな感じの理解で間違いありません。
ペーパームーンっていうテータム・オニールの出ていた映画がありましたけど、あれも赤フィルターを使っています。Youtubeに映像があるような……このへんかな。1973年の映画なので、さすがに私も生まれておりませんが、とにかく青空の青がちょっと暗く写ってますよね。
これと同じ効果を、デジタル写真の場合は後掛けで出来るわけです。もちろんRX100の写真にも!
どこでやるのか
先日やったパートカラーのHSLの2つ隣、B&Wってありますよね。これにするともう自動的にモノクロ写真になって、各色の明るさを調整できるようになります。
実際ちょっとやってみましょう。
実例
オリジナルです。マセラッティ。上手いこと赤い部分と青い部分があるのでサンプルとして使ってみました。
本当に何もしないで、単にカラー写真からカラー情報を破棄するとこんな形になります。一番自然といえば自然な形ですね。次はLightroomのB&Wセクションで赤を暗くしてみましょう。
ほーら槍の部分とServiceの文字が暗くなりましたよね。もともと赤いところはそんなに明るくなかったのでわかりづらいですが、PCからご覧の方は写真を表示した状態でカーソル左右してみると写真の切り替えが出来るので、それで比較してもらうとはっきり違いが分かる筈。
次に赤を明るくしてみましょう。
だんだん説明がいらなくなってきましたね。文字どおり、カラー写真の時に赤だった部分が明るくなっています。
じゃあこの赤がちょっと明るい感じが良さそうなので、さらに青を暗くしてみましょう。
はい。マークの楕円の下半分、MASERATIが白抜きされている部分が青だったので、ここら暗くなって、同時に後ろの空も雲が薄いところは青かったので同時に暗くなっていますよね。
モノクロフィルムで赤フィルターを掛けた時は、フィルターと同じ色の赤い部分が強調されて明るくなるのと同時に青い部分が暗くなるのが特徴でしたが、Lightroomでのモノクロ現像の際はそれぞれ別に扱う事ができます。つまり赤フィルターを掛けた時は強制的に赤いところが明るくなると同時に青いところが暗くなってしまったのを、赤青両方共暗くしたり、逆に両方共明るくしたりする事も可能なんです。調整対象の色も細かく別れていますしね。これ地味でマニアックなところですが便利なんですよ。
最終調整
というわけで、最終的に明瞭度をちょいプラスしたりなんかしてより強いイメージに仕上げたのがこちら。
最初の、カラー情報を破棄しただけのモノクロと比べると、よりメリハリがついたモノクロ写真になりました。
Flickみたいな写真サイトを見ていて、青空がどーんと暗く落ち込んでいる写真は、撮影段階で赤フィルターを掛けているか、Lightroomでこの調整をしているか、Photoshopの「白黒」調整レイヤーで同じような事をしているかのどれかです。
このテクニック、教えてしまうと誰でもそれっぽいモノクロ写真が作れてしまうので、プロはあんまり教えないんじゃないかと思います。
RX100でも青空と雲が一緒に写っている風景写真なんかでは劇的な効果をもたらすので、一度試してみてください。
こんな感じでモノクロ写真らしいモノクロ写真になります。
ね。効果絶大ですよ。