1px

 こんにちは、と書こうと思ったらもうこんばんはの時間でした。

 今日は朝から名古屋市内のレンタルスペースで日常感のあるグラビアみたいな感じでモデルさんを撮っておりまして、内容的には互いのSNSボコスカウォーズ用の作品写真という感じ。相互無償です。もともとお知り合いのモデルさんでした。

 こういう時はすかさず試したい機材を投入するのですが、営業写真時代は仕事にも遠慮なく投入させてもらって「お客さんでテストするんじゃない!」と怒られたものです。いやはや。

 モデルさん側の許可が得られたらここにも掲載しますが、LUMIX S5に暗さ対策かつ情報量が減ってもいいやのPlanar T* 1.4/50 ZF2でほとんど撮り切りまして、これがまた画角的にも「あれ、俺使いこなせてる!」という感じでございました。35mmも良いんですけどね。あと暗すぎてAFがあまり合わない条件でもミラーレスでMFなら何とかなったりするのが良かったです。

さて

 今日はちょっとした小ネタです。

 写真の画素数って、何百万画素とか何千万画素とかいって単位面積あたりどれだけ細かく区切るか、区切る能力があるかというのを数値化していますが、センサー上でもモニター上でもプリントでも、ほとんどの場合画素は相対的に表されると思います。

 つまり同じ写真のデータを1cm角で印刷するときと、10m角で印刷するときで何を変えているかというと密度ですね。デンシティーです。このdensityという単語、NDフィルターのDでありまして、元はNeutral Density。直訳するとニュートラルな密度で一体何の密度なんだオイと思うのですが、霧の濃さなんかもdensityで表現するそうでして、なるほどNDフィルターがフィルター全面に均一(ニュートラル)で霧が濃くなったり薄くなったり、と考えるとちょっと分かる気がします。

 それはさておき1ピクセルというのはデジタル写真の一番小さな単位でありまして、ピクセルが大きく集まっていれば集まっているほど、そして1ピクセルあたりの面積が同じであればそれは大きな写真ということになります。デジタル写真の撮影側は基本的にそういう感覚で捉える人が多いと思います。データサイズも大きくなりますしね。

 しかし印刷する際は、そのピクセルをどれだけの密度で並べるかによって印刷サイズが変わってきますし、モニターで表示する場合はモニターの表示出来るドットが縦横なんピクセルと決まってしまっているので、どう頑張ってもそれ以上のピクセル数を表示することはできず、何かしらの方法で間引いて表示することになります。

間引き

 デジタル写真は高解像度で撮影すればするほど高精細というイメージがあり、たしかに印刷するとけっこうモロに影響が出たりするのですが、モニターで表示している時は印刷ほど元の写真の解像度による違いは感じません。

 また、例えば1920*1080ピクセル、いわゆるフルHDのサイズのファイルを作り、その真中に1ピクセル分のラインを引いてみたりすると、その画像を大きく表示した時は線が可能な限り細く表示されているなあ、という感じになるのですが、縮小して表示すると同じ比率で線が細くなるのではなく、画像のサイズに対して線が太く表示されたりします。ここにはなにかしらのアルゴリズムが働いて認識しやすくしていると見るべきでしょう。

元のファイル。本当に1px分のラインを引いています。
同じ画像のサムネイル。真ん中のラインが相対的に太く表示されています。

 これっておそらく写真のデータ表示時にも同じことが起きているんでしょうね。

 レンズの性能を存分に発揮したほっそいラインを撮影したとして、それを表示する能力がモニターにあるかないか、またそれを表示する画像ソフトやなんかがどう強調したり圧縮したりするのかと、元のデータがどうであるかはちょっとずれている可能性があります。

 またプリンターの性能として何dpiというのが記載されていたりしますが、それも完全にインクジェットのドットひとつひとつで塗り分けられるという意味ではなく、インクの中心部をずらして1インチあたりどれだけのインクを吹き付けることができるかという能力であり、私の使っているEpson PX5VIIという機種は5760×1440dpi、つまり印刷面積1インチあたり横に5760、縦に1440のドットを印刷出来るそうなのですが、そのインクのドットの周辺部は隣のドットと重なってしまうのが当たり前だそうです。まあ画素は四角いのにインクは丸い水滴なので、そのあたりも高度なアルゴリズムとエンジニアリングで処理されているのでしょう。ちなみにPX5VIIは最小インク吐出量が2ピコリットルだそうです。肉眼で見えるかなあ2ピコリットル。

 ということは、そこでも本当に1pxを1pxとして描くわけではなく、何かしら印象を保つための操作が入っているとみなすべきでしょうね。

どこをターゲットにするか

 このあたりのことを考えていると、最終的にはやっぱり感性の問題になるのは間違いないなと思いますし、同時に1ピクセルを大切にという気持ちになってきます。私だけでしょうか。

 デジタル写真に限らずフィルム写真も、撮影者が自らすべてをコントロールし切るのは不可能です。必ず何かしら他の人が作ったものが入り込みます。シェフが野菜や肉から作っていたら料理する暇がなくなるように、私たちも美味しいところを抜き取って写真にしているのは間違いありません。

 大事なのはバランスを見て、どこからどこまではしっかりやろう、あとは任せちゃおう、と決めることじゃないかなと思います。

 それではまた!

どうも管理人です! プロフィールが新しくなりました。項目ざくざくご入力くださいね~
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