わたくしも分からないこと:センサーと画質

 こんにちは。今日は朝っぱらから注文していたEM10Mk4が届いたのでいそいそとテスト撮影に出かけたら、やきもの散歩道内で最近知り合った陶芸家の方に捕まっておしゃれカフェに行ってしまい、あまり撮り倒すことは出来ませんでした。

ファインダーが欲しかった

 今回EM10Mk4というカメラを買ったのは完全に酔狂ではあるのですが多少事情らしきものありまして、要は同じオリンパス(OMDS)のE-P7というコンデジに毛が生えたようなカメラの画質がいたく気に入ったもので、それのファインダー付きバージョンがないか、と探して見つけたカメラだったのです。

 オリンパスは旧来から1シリーズが最上位、5シリーズがその下、10シリーズがさらにその下という型番設定になっておりまして、それとは別にPENというおしゃれ路線みたいなシリーズもあります。

 今回購入したEM10Mk4はその10シリーズの最新機種でして、PENシリーズの方の最新機種E-P7と解像度などスペックが全く一緒だったので、「じゃあセンサーも一緒だろう」というので購入してみたところ、少なくともささっとテストしてみた限りでは同じ画質に思えたので、個人的には大勝利です。なにせE-P7にファインダーが付いてくれたカメラが欲しい、というのが最大の動機でしたですから。

 このE-P7のセンサー、EM1Mk3など他のセンサーと比べてみても色乗りの良さと解像の気持ちよさで優れており、トーンも丁寧に描いてくれるもので、これまで使ってきたMFTセンサーの中で最高なんです。

センサーと画質

 E-P7はレンズ交換できるコンデジみたいなものなので、操作だけでなく画質的にもより上位の1シリーズなんかより劣ると思われがちですが、私見ながら最近のセンサーって多機能にすればするほど画質が硬くなっていっている気がするんですよね。

 虎の穴には半導体の専門家であるすのぱん先生が在籍してくださっているのであまり詳細な話はアレですが、世の中の他のあれこれと恐らく同様に、センサーに求めるものが増えれば増えるほど画質面で無理が出るだろうことは想像に難くありません。

 E-P7/EM10Mk4のセンサーは2030万画素、より上位の機種は2037万画素なのですが、単に7万画素上がったから画質が劣化するかといえばおそらくそんなことはなく、例えば像面位相差分式のAFに対応したセンサーの方が、程度によりますが撮像用の画素とは別に測距用に用意しなければならないのでその分だけ画質は劣化するでしょう。後でデジタル補完しても、失ったものを取り返すのって必ず無理が出るんですよね。

 そういったことが、たとえば画素数は一緒でも、より高感度耐性を高めようだとか、より連射スピードを高めようとした際、画質に対する無理として少しずつ現れちゃうのかなあ、どれがどの程度画質を劣化させるのかなあ、というのが私の疑問です。

高い=画質が良い?

 また、今回の例はE-P7/EM10Mk4のセンサー(おそらく同一のもの)が、よりカメラとして高い機種よりも画質が「良い」のは下剋上的で不思議だという話ですが、普通はカメラとしてお高いカメラの方がセンサーそのものにもお金をかけられるはずで、たとえばローパスフィルターに塗る余分な光をカットする物質をより高い合金に出来るみたいなところで差が出てくるものです。

 高感度耐性もノイズが少ないほど「画質が良い」ということになりますが、ここでいう画質の良さ、例えば色乗りの良さ、色の出方の素直さやトーンのつながりのきれいさを求めると、スペックに出ないところであるどころか下手をするとスペックを下げないといけない可能性すらあり、市場にアピールしないのでマーケティングの人やなんかは「そんなのほとんどのユーザーはJPG撮りなんだから、スペックの派手さで勝負しましょうや」などと言い放ってしまいがちでしょう。

 我々消費者はセンサーから出てきた絵を見て、といいますか、撮影時に肉眼で見ていた光および現物とカメラから出てきたRAWデータを見比べて「ははーん」と納得するしかなく、先に述べた「余分なことをさせない方が画質が素直」と「お高いカメラの方がより高い設計・部材を使える」という2つのポイントでどうプラスとマイナスが働くのかについては想像するしかありません。

描画処理エンジンは?

 また画質を決定する際の重要事項として描画処理エンジンも重要と言われていますよね。

 たとえばオリンパスOMでいえばヴィーナスエンジンでしたか、いやそれはLUMIXでしたね。OMはTruePicという名前の画像処理エンジンを積んでおりますが、これが変わると画質が変わるというのがカカクコムやなんかでは定説であります。

 センサーはセンサーだけで写真のデータを作ることができず、RAWだとしても画像処理エンジンを通さなければならないのでその型が変わると処理が変わってしまうのは当然のことと思いますが、ではセンサーの出してくる色味が、画像処理エンジンによってどれくらい影響を受けるか、というのはユーザー側から分かりません。

 恐らくJPG撮りの場合は、カメラ内でRAW現像してしまうので、良かれ悪しかれ画像処理エンジンが変わると画質があれこれ変わってしまうでしょうし、一番顕著なのはRAWの段階で発生したノイズをJPGにする際に塗りつぶすのも画像処理エンジンの仕事ですから、そのあたりで画質が変わった、と認識するJPG撮りユーザーは多いのでしょうが、RAW撮りの場合はそこまで劇的に変わらないような気がしています。

 つまり、飽くまで私見なのですが、RAW撮りの場合は画質あれこれを決定するのはセンサーが最も大きく、画像処理エンジンはおまけ程度じゃないかなあ、と思うんですね。テスト出来るわけではないのでアレなのですが。

ちょうど良いセンサーが欲しい

 私の場合、MFTは特に低感度でしか撮らず、高画素も高速連写も要らないものですから、とにかく低感度でのRAWの色乗りを自然で素直にして欲しかったので、ほどよく低機能のE-P7が必要以上にセンサーに高機能を求めなかった結果、飽くまでMFTセンサーの画質の範囲内ではありますが、大変好みのものとなってくれました。

 こういうことはフルサイズでもよく起きますし、今後さらにカメラのカタログスペックがコモディティ化する中で、他社製品との違いを見せてスペック競争に勝つために画質が犠牲になることも多々あるでしょう。

 大事なのはスペックではなく、自分が実際に肉眼で見た光や事物と、それを写真のデータにした際に一番スッと来るものを選ぶことです。惑わされないようにしたいものですね。

 皆さんも色んなカメラを使われていると思いますが、他人がなんと言おうとその人が「自分に合っている」と思う道具がベストの道具です。とりあえずそのカメラともっと仲良くなるためにもどんどん撮りましょう。大丈夫、ほとんどのパーツはシャッターユニット含め交換可能ですからね。

 それではまた。

どうも管理人です! プロフィールが新しくなりました。項目ざくざくご入力くださいね~
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