祭写真必勝法

 こんにちは。13、14日の祭が終わってようやく撮影した写真14000枚弱の中からセレクトが終わりました。

 いつも通りのスナップワークフローで、撮影した中から「良いんじゃないの」というのだけ残し、その中から使いそうなカットに星4つ付けて現像し、ある程度時間が経ったら星4つ付いていないものは1000万画素に圧縮するという形です。アザーカットの中からポスター用に写真を使うみたいなことはまずないでしょうからね。

 ただ今回、受け入れてくれた市場組の皆さんに写真を送るので、星4つ以外の写真もいちおうRAW現像をしないといけません。

 これまではべた~っと頭からお尻まですべての写真を時系列順にRAW現像していたのですが、今回は星4つ付けたものだけ先に現像し、それを指標に間の星が付いていない写真を現像していくと色もトーンも安定して良いかも、と考えています。

さて

 今回、祭が終わった翌日に植木屋のジュンイチさんから「祭、楽しめました?」とLINEでやり取りしている中で声を掛けてもらいまして、なるほど主催者サイドに立つと、自分が誘った人間が楽しめたかどうか気になるのか、ホスピタリティがあって素晴らしいなと思ったのですが、私がどう楽しんでいるのかを説明しても、こりゃ伝わりにくいなあと申し訳ない気持ちになりました。

 なぜかというと、撮影そのものはイベント撮りであり、私は目論見としてポスターに使えるような抽象度が高めの写真が撮れたら良いなあ、と思いつつ、イベントはイベントなので参加者が良い顔をして働いているところも撮りたいよね、せっかく呼んでくれているんだからそこは義理もあるよねというので自分が使わなそうな写真もまあまあ撮っています。

 これが完全に写真作家の立ち位置であれば、その人達が喜ぶかどうかよりも、写真作家たる自分が祭というイベントの中から作品をまさに抽出するような感覚で挑んでいるでしょうから、サービス業的な感覚は薄いのだろうと思いますし、サービス業の感覚はおそらく美術寄りの写真をめざせば目指すほど野暮で邪魔になると思うんですよね。そういう点でわたくしはカメラマン脳が抜けないなあ、と思っておりまして、そういうサービス業的なところは別にそう楽しいわけではありません。カメラの操作は面白いんですけどね。

 祭の写真というのをSNSでサッと眺めてみますと、たとえば祭に参加している若い女の子を望遠で撮りました、フォトコンに応募して賞をもらいましたみたいなおっさんが沢山いたりして、お前らは一体何をしに祭に行っとるんだといいますか、普段アクセス出来ない若い女の子がむき出しの状態でいて祭だから撮影OKっぽいので、じゃあ撮っちゃおうみたいな、神事に対する敬意がまるで感じられないものがたくさんありますし、フォトコンサイドも頭がどうかしているのか、そういった祭と関係のない写真に賞を授けていたりします。カメラを使っておねえちゃんを的にする遊びを、撮影会でもサーキットでも展示会でも祭でもやっているだけの人がけっこういるんですよね。

 それはそれで楽しみなのでしょうが、主催者の人に「楽しめましたか」と聞かれて「おたくのチームの若い女の子を勝手に撮ってフォトコンに応募出来たので楽しかったです」みたいに言われたら、それは構造的には搾取でしかないわけで、賢い人が相手だったら普通は気持ち悪がると思うんですね。

 私らのところでも動く人間が好き放題撮れる機会というのはそうそうないので貴重な実験場として祭を利用させてもらいますが、それは結果とセットです。呼んでくれた側にもメリットがあること、まともな写真を渡して喜ばせられることまでセットですから、そのあたり勘違いしてはいかんよなあ、と思います。ほとんどの場合、当事者は自分や縁者が写っているかどうか以外ほぼ気にしませんから大した結果は求められませんが、敬意は写りますからね。

たとえばこういうシルエット写真、勝手にこう写っちゃうと思われがちなんですよね。いや狙って暗くしているからシルエットになっているんだよ、つっても自分でやらせるまでわからなかったりします。

 美しい写真を撮ろうとか、敬意を払おうとかいう気持ちは、常に念じながら撮らないと写らないものと思います。はい。

祭必勝法

 そうそう、話が脇にそれてしまいました。

 今回楽しめましたか、とジュンイチさんに聞かれて、私が一番楽しかったといいますか面白かったのは祭の運用面について「はー大変だねー」と観察することでした。若いのをキャホキャホ騒がせてエネルギーを発散させるために、おっさん以上の年齢の人たちが裏方に回って実に地味な仕事を堅実にしています。

 今回、ジュンイチさんに事前に裏方撮りがしたいと言ってあったものですから、そういうのも一部撮れまして、やっぱり好きなんですよね。また祭を撮ることを教材化するとしたらどういう要素があるのか、というのも2日間ずっと考えておりまして、そういう必勝法的なものを考える楽しみというのもありました。

 特に必勝法的なことについては、そもそも写真をやらない人を相手に話しても「押せば写るんじゃないの?」と理解してもらえないのが常ですし、相手が写真をやる人であってもその人が撮るのがおねえちゃん写真ばかりだったり図鑑写真ばかりだったりすると、美しい瞬間を勝手にこちらで発見して抽出するんだよ! と説明しても理解されません。こういうのは2歩離れると誰しも狂人に見えかねないのと一緒だよなあ、と思ったりするので仕方がありません。

 というわけで私が撮りながら考えた祭撮り必勝法です。

  • 撮影場所
    • 山車も神輿も行列を撮るから高いところが有利
      • 神輿は低いが山車は高い。山車は引いて撮らないと「山」まで写らない
        • 背景との絡みで変化を見せたいので道の形状がモロにリーディングライン
          • つまりかっこいい道を高いところから撮れる場所を探せ
    • 構図上、山車単体では成立しない場合が多い。周囲とどう絡めるか。
  • 提灯は暗い。太陽が落ちた直後のマジックアワー狙い
  • 動く山車の場合SS1/500sは欲しい
    • 速い神輿なら1/1000sは欲しい
  • 長いのを使うと常に手前の頭が邪魔
    • 広角を使っても手前の頭が邪魔
  • 人が集まるとすぐサークルが閉じて外から撮ると後頭部と背中しか撮れない問題
    • それを避けると超広角になるが今度はパースがえぐい
    • 結婚披露宴のケーキカット問題と一緒
  • それらを避けるには高いところから撮るしかない
  • 表情はモロに距離感
    • 飲み会に参加して顔を売るしかない
    • だいぶ慣れた人たちで気にしないでくれるんだけどスッと真顔に戻られると辛い

 という感じでございまして、後から眺めてみると必勝法という感じでもないのですが、とにかく高いところを探して撮るのは間違いなく必勝法です。

 実際、今回も2段や3段の脚立を持ち込んで撮っている人がおりまして、現場の状況が読めるのであれば脚立持ち込みもアリだなあ、と思いましたが、最終的には「集団にべたっと張り付いて撮る」スタイルで行くのか、「要所要所で先回りしてカッコいいイメージカットを撮る」の2つの立場を選択する場合、後者の立場でしか脚立は持ち込めないよなあ、と思いました。

 今回の2日間の祭に参加した私とうるひさんは、前もって3月31日の山車曳行にも参加しておったもんですから、べたっと張り付いて撮りまくるのも非常に勉強になるんだけど、どうしても丸一日同じことの繰り返しだから仕事みたいになっちゃうな(だからこそ慣れないうちは勉強として最高)というのが、他のイベントもあれこれ撮りまくってきたおかげで分かってしまっておりまして、今回は市場組の山車付近で撮ることもしつつ、タイミングを見て遊撃隊的に先回りして撮るところもいくつか設けました。

 ケーブルテレビの人たちも録りに来ておりまして、彼らもチームで動くもんですからそういう発想でチーム分けしていたみたいですね。彼らとにかく体力が凄いですが、三脚を運んで設置するだけのアシスタントの人が体力に加え忍耐力も凄いなと思いました。1日中待つだけですからね! まあバイトなので、これも仕事と割り切っているのでしょうが。

 というわけで、皆さんも祭に参加して撮る際は、とにかく高いところから狙えるように、動きながら登れるところを探して撮ってください。山車を撮るイメージカット的なやつはとにかく高いところがオススメです。

 私は秋祭りの際は、飽きていなければティルト動画がやりたいなと思いました。はい。今回の写真も現像が終わったらまたシェアしますね。一緒に撮影に参加した皆さんの写真も楽しみにしています。

 それではまた。

どうも管理人です! プロフィールが新しくなりました。項目ざくざくご入力くださいね~
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