おはようございます。わたくし的にまた一週間が始まる火曜です。ただブログ更新をするというだけなんですけどね。
26日は虎の穴集会!
今週末26日(土)は、代々木の峰原さんのところに集まって久々にわやくちゃやりますからね! 私とうるひさんは合流して朝から東京に向かうので、スッといけば昼前には代々木まで着くはずです。会場は11時からお借りしているので遊んでいてください。当日のテーマとして現在設定している、人物撮りの背景問題について考えるために、いつものメリケンサックさとさんが遊びに来てくれる手筈になっています。
会場はこちらです↓。
シャドーをゆるめる
さて、最近、最近のカメラを使うたびに「シャドーが重くて辛い!」というのを体験しておりまして、シャドーが重くないカメラって私が使っている範囲でいうと古いものばかり。たとえばソニーでいえばα9がギリギリ私からすると「普通」のシャドーでありまして、α6700なんかはAPS-Cセンサーであることも手伝ってシャドーがドロドロ重いんであります。
これは恐らくメーカーがわざとそうしているというよりは、性能が高いということはたいていレンズもセンサーもコントラストが高いということでありまして、コントラストは高める方向にこれまで努力してきましたから、その勢いがRAWに出てしまっているのだろうと思います。
ですから、見かけ上どろどろに重い、暗いRAWだったとしても、ダイナミックレンジは向上していますからシャドーを持ち上がれば意外なほどノイズレスにぐいぐい持ち上がったりするのでありますが、

例えばこの写真、雪の日に事務所までお散歩した際の写真でして、撮った時点で向こう側のコンクリートに気を使いすぎてアンダーにしちゃったのもありますが、それにしたってブーツのこちら側が暗いんであります。極端といっても良いんじゃないかと思うくらいです。


↑これ持ち上げてみるとデータはちゃんとあり、Z7は異様にシャドーがきれいなので問題ないところまで持ち込めるのでありますが、トーンの操作で難しいのが、トーンカーブにポイントを増やせば増やすほど階調が乱れてきれいなグラデーションが維持できなくなり、見た目が不自然になること。
つまり、トーンカーブで明るさを操作する際は、出来るだけ少ないポイントでいじくったほうが自然な見た目で綺麗なのですが、最近のRAWは自然な操作ではシャドーがちゃんと持ち上がってこないくらい重いんです。

というわけで、凄い性能を秘めたRAWなのは確かなのですが、シャドー部分を上手く持ち上げる方法がないので、Lrでいう黒レベルを持ち上げたり、「シャドー」のパラメーターを不自然さ覚悟でいじったりと、あれこれ苦慮しておりました。
ところが昨日、夜中にRAW現像をしている際に天啓を受けまして、これまでめったに触っていなかったパラメーターで解決出来ることが分かりました。
かすみの除去
回答はかすみの除去でした。
これは遠景を撮った際なんかに、空気中の微粒子がコントラストを下げ、彩度を下げてしまうのを、演算で復元しちゃうぜという機能でありまして、風景写真をやる人はけっこう使うということなのですが、私はそもそもド遠景かつパキパキクリアに写ってくれていないと困るというのを年に1回撮るかどうかという感じなので触れておりませんでした。
ところが昨夜、何の気なしにこのパラメーターを下げてみたところ、「!」と言葉にならない感動があったのです。

↑撮影後の状態から、露光量だけ0.7EV分上げました。トーンカーブは未タッチなのでどろりんのまま。ここでかすみの除去を下げます。言葉の上ではかすみの付加をすることになります。

はい、こんな感じです。かすみの除去-50。言葉としてやっぱり少し不思議な感じですが、実際霞んでいますよね。
目的はかすませることというより、上記2枚の写真をみくらべてもらうと分かるとおり、ヒストグラム上でシャドーの左端が持ち上がってコントラストが下がっています。
-50までやってしまうと、ちょっとわざとらしいふわふわになってしまうので、これがやりたいのであれば撮影時点でフィルターでもかけたほうが結果は良いですね。今の目的はシャドーを自然に持ち上げていじくり易い状態にすることなので、-10から-20も操作すれば十分です。



こんな感じで、かすみの除去で全体のコントラストを調整してからRAW現像すると、画像の明るさの一部だけ無理やり操作したような不自然さが出ずに良い感じの柔らかい画像にすることができました。これまでは、どれだけ操作してもシャドーが一部固まったままで、頑として重さが解消され切らなかったのです。
かすませている
これ何をしているかというと、明るさの面では、基本パラメーターの「黒レベル」を持ち上げているのに近いのですが、かすみの除去はレンズやセンサーの性能が今よりもっと低かった時代の画像に近い状態にしてくれています。コントラストってひたすら高くなり続けていますからね。
現代機材であれば、たとえばソフトフィルターをかけたり、レンズを触っちゃってコントラストが低下しつつ、余分なふわふわが写り込んで本来の性能が出ていない状態です。
今日やっていることは、現代のカメラはあまりに不純物を除去して撮れるようになってしまったので、性能としては凄いのですが、あまりにクリアすぎて辛い、となっていたところへ、このかすみの除去下げで不純物を混ぜていっているようなものです。「かすみの除去」はLightroom固有のパラメーターですが、恐らく他のサードパーティー現像ソフトにもあるんじゃないでしょうか? 純正RAW現像ソフトの場合は、コントラストが高くできることを誇る気持ちが強いので、こうしたローファイ化する機能はあまりなさそうな気がします。 コントラストが高いと、商業写真で使うようなパキパキの「現代~!」という画質にするには当然有利ですからね。
実例
というわけで、この現像でやったのをいくつかお見せいたしましょう。
ひとつ問題なのは、かすみの除去は実際にレンズに触っちゃったりした時のようにコントラストを下げ、ふわふわ成分を混ぜて絵を柔らかくすると同時に、彩度も下げてしまうものですから、手順として露光量→かすみの除去みたいにRAW現像の最初にかすみの除去を入れたほうが安定して作業出来ますし、逆にいえば色については先にかすみの除去を触っておかないと、また後で彩度を足さなければならなくなったりします。その点は要注意。
ですので、わたくしはLrで「かすみの除去-10、自然な彩度+25」というプリセットを作って当てることにしました。
以下の作例は、そのプリセットを現像後の写真に当てただけ。ほっとシャドーがほだされて柔らかい印象になっていると思います。シリアスさが減ってポジティブになったと思います。






SNS撮影サービス用に、フルサイズのセンサーを搭載したソニー機を新規で導入……と考えていたのですが、これが出来てしまったので、メイン機はやはりα6700でええんじゃないかと改めて思うようになりました。
冷たくて重くてシリアスな街スナップみたいなものを撮るにはけっこう向いているものの、性能が高すぎて柔らかい写真が撮りにくかったところへきて、まさかのデチューン的な解決策が飛び出してくるとは思いませんでした。
皆さんもRAWの性能というかカメラ、レンズの性能が高すぎる時は、そっとデチューンしてみてください。扱いやすくなることもあるかもしれません。
それではまた!